6351人が本棚に入れています
本棚に追加
突然の婚約
瞼を開けると見えたのは綺麗な鳳凰。
上に向かって飛んでいるみたい。
余りにも綺麗だから手を伸ばし鳳凰を撫でる。
「綺麗」
撫でて分かったのは、煌志さんの背中だと言う事。
「10時になれば出かける」
「帰ります」
「却下」
「えっ?」
「雅も一緒だ」
「着るものがないです」
「ある」
紙袋を渡されたけど意味が分からない。
「俺色に染まれ」
何を言っているのだろう……?
疑問に思いながら紙袋の中を覗くと濃紺の下着と濃紺のワンピースが入っていた。
「着れません」
「何故?」
「スニーカーだからです」
「パンプスも用意したがミュールの方が良かったか?」
「そうじゃなくて、そこまでしてもらう理由がないと思います」
「あ"?」
振り向き眉間に皺を寄せた瞳は何処までも鋭い。
最初のコメントを投稿しよう!