突然の婚約

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突然の婚約

瞼を開けると見えたのは綺麗な鳳凰。 上に向かって飛んでいるみたい。 余りにも綺麗だから手を伸ばし鳳凰を撫でる。 「綺麗」 撫でて分かったのは、煌志さんの背中だと言う事。 「10時になれば出かける」 「帰ります」 「却下」 「えっ?」 「雅も一緒だ」 「着るものがないです」 「ある」 紙袋を渡されたけど意味が分からない。 「俺色に染まれ」 何を言っているのだろう……? 疑問に思いながら紙袋の中を覗くと濃紺の下着と濃紺のワンピースが入っていた。 「着れません」 「何故?」 「スニーカーだからです」 「パンプスも用意したがミュールの方が良かったか?」 「そうじゃなくて、そこまでしてもらう理由がないと思います」 「あ"?」 振り向き眉間に皺を寄せた瞳は何処までも鋭い。
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