突然の婚約

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「雅もシャワー浴びて来い」 『うん』と答え紙袋を持ってバスルームに移動した。 鏡に映る私の首筋と胸の辺りに赤い華。 昨夜の出来事を思い出して身体が熱くなる。 名前は聞いたのは確かだし、昨夜は快楽の海で溺れていたのも確かだけど、女になるって何をすれば良いのだろう。 恋愛感情なら分かる。 それなりに。 だからと言って煌志さんが好きとかはない。 浴室に入りシャワーコックを捻ると出てきた冷たい水が私を現実世界に引き戻す。 やっぱりおかしい。 キチンと断った方が良いと思う。 一夜だけの甘い夢。 危険な香りがする人との甘い夢。 高校を卒業した日に自分に誓った。 もう恋はしないと。 別れた時の辛さは私がよく分かっている。 割り切ってしまえば良いだけ。
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