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唐突な質問コーナー
落下による強風などの諸々を和らげたまま、釉は俺に質問を促す。
「空羽が聞きたいことから先に答えてあげますよ。幸い地面に着くまでかなりありますので。」微笑みすら一つの芸術に思えてくる。「釉って男なの?」「えっ。何でそんな質問なんですか?もっと他に聞くべきことありますよ!?答えはいいえ。男性でも女性でもないです。性別はありませんね。」
Q.釉は一体何者? A.神の使い、神使ですかねぇ。
Q.ここはどこ? A.和界と言って、死後の魂や精霊、妖にそして神や仏など善き存在が住まう世界です。付け加えますと、君たちがすむ人界、今説明した和界、そして悪しき存在、文字通り荒れた荒界がそれぞれ球状に広がっています。そしてそれぞれの世界が重なる所はそこまで強い善、悪ではない、どっちつかずな存在が過ごしやすい所なのです。人界と他二つの境界は生者と死者で強く隔たっています。しかし和界と荒界はそこまで隔たっていないので、修復が必要不可欠なのです。
Q.なんで連れてきたの? A.先程の話の続きが答えです。荒界と和界の均衡が崩れており、三界の管理者たる、主様は眷属の負担を荒界,和界に集中させ、均衡を保とうと。そして人界は人の協力者に任せようということで、貴方をお連れしています。
Q.その主様はどこにいるの? A.三界が全て重なる世界、幻界におわします。幻界に行く前に異界への世渡りと異界への適応に暫く、幻界に通じやすくなる五日後まではとどまらなくてはいけません。
「さて。基本的なことはこれぐらいです。そろそろ到着です。くれぐれも着地に気をつけてください。」と質問コーナーもどきは終わった。
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