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理由
イザナギ様は「まず空羽を呼んだ理由を説明するには、今の三界と幻界の状況を知ってもらわなくちゃいけないんだ。長くなるけど、頑張ってついて来てね。」と俺らの前にお茶を出してくれた。 もちろん何か神様的な力で、だったけど。そのお茶も見慣れた緑色では無く 俺以外はすんなり飲んでいるが不気味で飲めたもんじゃない。
「空羽は人界と、和界の一部は行ったんだよね?」とイザナギ様は問いかけてくる。釉は幻界に来るまでの旅を報告した。
「それならば。君が見た桜、実は各界の力を養分として成長しているんだ。君の住む人界の力を養分にしている桜の数がかなり減ってしまっていてね。
そして人界と和界の力で抑えていた荒界の力が抑えられなくなって、三界の均衡が崩れてしまっているんだ。
また境を保っている桜が減ったことで三界の間に亀裂が入ってしまってね。
亀裂は人の目には見えず、その亀裂からゆっくりと少しずつ荒界の力が入ってきて、人界や和界は汚染されてしまうんだ。そうなると荒界の領域は広がり、もっと力を増してしまうんだ。
で。人界の桜が和界の桜より激しく数を減らしていて人界の亀裂があまりにも増えるし、神や眷属はそう簡単に人界に留まれず、長く留まりすぎると カを失い、人に成り下がってしまう。
そんなこんなで人間の協力が必要なんだ。 魂の基礎が人間だから、どれだけ僕の神力を分け与えても人界で力をすり減らす事はないからね。それから人間に協力を仰いで、何千人目、ついに候補として挙げていた人間は全滅。
そんな時に君に何かピンと来たんだ。まあ、とにかく君に白羽の矢が立った訳」「 ちょ、ちょっと待て!元々考えていた候補が全滅、白羽の矢って言ったってピンときてってほぼ勘じゃねーのかよ!!別に俺じゃなくても良くね!」「またイザナギ様に向かってそのような言葉遣い!許せん!」と釉がオオクニヌシに放った大きさの二回りほど大きな光球を俺に放ってきた。(まずい!当たる!!)と思った瞬間。俺の周りに空天色【昼間の 晴れた空のような薄明るい青色】の障壁が広がった。
何故か皆唖然としていた。イザナギ様の力なんだろうと思っていると。
「 空羽、その障壁を作ったのは君自身だよ。もう危険はないから、 落ち着いて障壁に思いを集中して消してごらん。」とイザナギが 声かけてくれるがテンパりすぎて障壁を消すどころか増 やしてしまった。見かねたオオクニヌシが消すイメージを教えてくれて やっと解除できた。体感二十分なのに実際は三十秒ほどらしい。 どっと疲れて障壁を消した後に、安心し疲れていた俺は気絶してしまった。
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