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おしゃべりをしながら歩く道のりは楽しすぎて、お店まであっという間だった。
私がお店のドアを開けると、澄んだ音のドアチャイムが鳴った。
「わぁ、おしゃれなお店だね」
「ですよね! サンドイッチも美味しいですよ」
店内をぐるりと見回し、感嘆の声を漏らす北岡さんを見て、私も嬉しくなる。
ショーケースに綺麗に並べられたサンドイッチは、目移りするほどにどれもおいしそうだ。
「すみません、照り焼きチキンサンドとオレンジジュースください」
「じゃあ私は、海老カツサンドとホットコーヒーでお願いします」
北岡さんが海老カツサンドと口にしたのを聞いて、ふふっと笑ってしまった。
私たちはお金を払い終えると、サンドイッチが乗ったトレイを受け取った。
「飲み物は席までお持ちします」
「ありがとうございます」
歩道に面した窓側の席に向かい合わせで座った。陽が差し込んで暖かい。
「ちょっとぉ、さっきなんで笑ったのよ」
「え、だって、北岡さんやっぱりブレないなぁと思って。海老大好きですよね」
「そりゃあね! 私と言ったら海老! プリプリが正義よ!」
「も〜、意味わかんないですよ!」
「好きなものには一直線なの!」
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