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スタッフさんがドリンクを持ってきてくれた。しばし、うずうずしながら「どうぞ」と置かれるのを待っている。
「じゃ、食べよっか」
「そうですね」
包まれたビニールを開く。おいしそうな照り焼きチキンが、私の食欲をそそる。
「ん〜! うまぁ〜! 海老カツ最高!」
おいしそうに頬張る北岡さんを見て、私ももう一口かぶりつく。照り焼きのタレがこれまたおいしい。
「堤ちゃん、私に何か隠してることあるでしょ」
もぐもぐしながら北岡さんが私を見ている。
「え、何のことですか」
「またまたぁ。私の目はごまかせないよ。ほら、そのピアス」
「あ……」
私は耳を触った。これは篤志が私にプレゼントしてくれたものだ。
「堤ちゃん、ほらぁ、顔がニヤけてるよ」
「もぅ! 北岡さんには敵いませんね。実は彼氏ができました。このピアスも彼からのプレゼントなんです」
あぁ、ニヤニヤが止まらない。北岡さんに隠し事はできないな。なんでもばれちゃう。
「そういう北岡さんはどうなんですか。恋愛の方は」
「んー、私?」
前に彼氏の話を少し聞いたことがある。
「ま、ぼちぼちね。ほらこれ」
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