ランチタイム

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 氷がほとんど残っていないオレンジジュースを、ストローで無意味にくるくる回す。 「うん。彼氏だから」 「え……。篤志は私の彼氏だけど……。え?」  この状況、北岡さんはどう思っているんだろう。口元が緩みそうになるのを必死で耐えた。 「北岡さんの彼氏が篤志ってことは、グイグイくる子って私のことですか? 仕事の相談したことはあるけど、篤志の方が言い寄ってきたのに、なにその言い方!」 「私だって、付き合ってるんだから会いたいって連絡するでしょう! でも家の前で待ち伏せなんかしてないっつーの!」  興奮気味にまくしたてた北岡さんは一呼吸置いた。 「そもそも別れ話になってない! メールだって来てないよ!」
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