13人が本棚に入れています
本棚に追加
氷がほとんど残っていないオレンジジュースを、ストローで無意味にくるくる回す。
「うん。彼氏だから」
「え……。篤志は私の彼氏だけど……。え?」
この状況、北岡さんはどう思っているんだろう。口元が緩みそうになるのを必死で耐えた。
「北岡さんの彼氏が篤志ってことは、グイグイくる子って私のことですか? 仕事の相談したことはあるけど、篤志の方が言い寄ってきたのに、なにその言い方!」
「私だって、付き合ってるんだから会いたいって連絡するでしょう! でも家の前で待ち伏せなんかしてないっつーの!」
興奮気味にまくしたてた北岡さんは一呼吸置いた。
「そもそも別れ話になってない! メールだって来てないよ!」
最初のコメントを投稿しよう!