謎の招待状

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 当然少し誤解されてしまった。  あの母様まで少し固まって明後日の方向を暫く見詰めて居た。僕は慌てて弁解した。と言うかまだ僕は5才の子ども何だから、大人の様に言葉を順序立てて話すのなんか難しいんだから、そこは察して欲しかった。 「なんだ、そう言う事か。いきなり上着を脱げと言われたので私も息子とは言えドキッとしたぞ」 「僕がそんな趣味有るわけ無いじゃ無いですか」 「そうよね〜母さんは信じてたわ」  どの口が!?  真っ先にじと眼をして来たのは母様じゃないですかっ。 「それより背中の傷を見せて下さい」 「ああキマイラ戦の時のだな、分かった」  そう言うと父様は身体を捻ると僕に例の戦闘の後に負った傷の部分を見せてくれた。  驚いた!?  傷がちゃんと残っている。  じゃあ何故、ステータスが変わったんだ……。 「どうだ、身体の傷を見てなにかわかったか?」 「いえ、すいません。分かりませんでした。ただ、傷痕が残っているのですが、どう言う訳か父様のステータスが回復しています」 「それって、どういうことなのメディウス……」 「恐らくですが、父様は以前のいえ、それよりも強い一級剣士になられてます」 「また力が戻ったのは私にも自覚は有ったのだが、以前よりも強いとはどう言うことだメディウス」 「実は以前父様の経験値のステータスを見た時は何かの状態異常が起きていて、もうこれ以上経験値を積む事が出来ない状態だったのですが、今は異常が解除されています。なので、今回のシルバーウルフとの戦闘経験値が上乗せされてレベルアップされたのではないかと……これはあくまで僕の想像ですが」  とは言ったものの理由までは便利眼で説明表示されるわけじゃない。いくら便利だと言っても、解析にも限界はあるようだ。ただあの時みた状態異常が消えているのだから、正直それしか理由が思いつかない。目に見える傷と経験値との間に状態異常を引き起こす関係性はなく、キマイラの魔素が父上の成長を止めていたのだと思う。その魔素が浄化されたことにより、今回の戦闘経験で父上がレベルアップしたが考えとして妥当だろう。 「まあ、そうだとしてももう私は王国騎士団へは戻らないがな」 「もしその話を受けるなら即離婚ですからね〜」 「そ……そうですか」  母様の口角は確かに上がってはいるが目が据わっているのは気の所為でしょうか?
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