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メディウスは瞳を微塵も閉じていなかった。しかし、見えなかった。幾多の戦闘を繰り広げ、剣聖と言われた相手さえ膝をつかせた男の彼が、先程の魔王の初手を見落としたのだ。
(ちっ、いつの間に攻撃しやがった)
「気に食わね~~な、ったく」
「何がだね?」
「あっ!? せっかく六魔将を闇に還したと言うのに、テメェと来たら奴らの強さと比べたら、桁が違い過ぎるじゃねーーか!?」
「ああ、その事。それは私のせいじゃない。彼等が弱過ぎるのさ、ンクク」
「………」
「おや? 怖気づいたのかい?」
「あっ!? バ~~カ、んな訳有るか!?」
「ほぉ、この私の力を見てもまだやる気かね?」
「あっ!? 俺は魔法王だからなっ」
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