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テユンさんとジュンソさんがじゃれ合っているのをぼんやり見ていたら、突然後ろから抱きつかれた。誰かの手で目が覆われる。 「だーれだ??」 「・・・・・・ジウォンさん?」 せいかーい、と手を離し、私のとなりに座るジウォンさん。 てかキャラ変わりすぎじゃね?今までの、っていうかお酒飲む前の頼れるかっこいい大人の男性感どこ行った。 ま、これはこれで可愛いからありだけど。 「片付けありがとうございます」 「んーん、ジウンちゃんの歓迎会だもんね。当たり前だよ」 お、ちょっと戻ったみたい。 「ね、膝枕していい?」 ああ、全然だめだった。 「だめって言ったらどうします?」 「するよ?」 「だと思いました!いいですよ、もう!」 もうだめだこれ。 ソファに寝転び、私の太ももに頭を乗せる。その体制のままジウォンさんは微笑んだ。 「眠くなってきちゃった」 「ここで寝ないでくださいね?絶対だめですよ?寝たら怒りますからね?」 「ジウンちゃんの怒ってるところ、みてみたーい・・・」 くすくす笑いながらあくびをするジウォンさん。 いやだからだめって言ってるよね。何寝ようとしてんの? ・・・・・・結局、ジウォンさんはそのまま寝てしまい、ハユルさんに引きずられながら部屋に戻っていった。 私はソウさんに自分の部屋へ案内をしてもらう。 少し歩いたあと、扉の前で立ち止まり、ソウさんがこちらを振り向く。 「ジウンちゃんはこの部屋を使ってね!」 「わかりました、ありがとうございます!」 もうすでに入浴も済ませており、あとは寝るだけの状態だ。 「・・・・・・可愛い」 「ん・・・なにか言いましたか?」 「んー?何も言ってないよ?」 なんか言ってた気がするけど・・・聞き取れなかったしいいか。 「おやすみ、ジウンちゃん」 「おやすみなさい」 ソウさんと別れ、部屋にはいる。 「広っ・・・!」 部屋を見回した私は、思わず呟く。 ダブルベッド、大きなテーブル、ふかふかの椅子、綺麗なドレッサー、クッション付きのソファ、大きな本棚、その隣りにあるクローゼット・・・・・・。 とにかくすべてが豪華だった。 「うわ、落ち着かないな・・・」 恐る恐るベッドに腰掛ける。ふわっとした感触で、とても柔らかい。 一旦立ち上がり、電気を消す。部屋が暗くなり、僅かな月光だけが部屋を照らしている。 もう一度ベッドに腰掛け、ゆっくりと寝転ぶ。 あ、意外と眠れそう。よかった。 私は色々あった今日を思い返しながらまぶたを閉じ、眠りについた。
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