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昼間の話
「え、そんなこと言ってたの!?」
「なんか思い出した」
「うっわー、黒歴史確定・・・」
そういって机に突っ伏す詩織。
「いつ言ってた?」
「えっと・・・幼稚園から帰ってきて、マンションの横の公園で遊んでた時?」
「・・・うん、覚えてない」
恥ずかし・・・と言いながら暴れる詩織を岡部が見やる。
「暴れんなよー、暴力女」
「やだ、暴力女ってことは否定しないけど」
「否定しないんだ笑。とりあえず落ち着け?」
「もー、はいはい」
「にしても、そんなこと言ってたんだ・・・意外」
「私も意外。超恥ずかしい」
「ww」
ここは英来セミナー。中1クラスは5人で、川崎詩織、赤口光恵、俺、藤崎健、岡部圭人のメンバーで授業を受けている。全員が同じ学校。
その中でも、詩織と俺が幼馴染で今クラスが一緒、詩織と岡部が家近所、など、関わりはたくさんある。
なぜ詩織がこんなに恥ずかしがっているのかと言うと、俺のした話が原因だ。
“何年も前、幼稚園から帰ってきた時、ちっさい公園で遊んだじゃん?そんときにさ、何でか知らないけど、「大きくなったら結婚しよう」的なこと言われたんだけど、あれ結局なんだったの?”
「あゔー忘れて、お願い。もうやだぁ・・・!」
こういっちゃ悪いけど、詩織は鈍い。ものすごく鈍い。とてつもなく鈍い。今だって岡部と藤崎の2人がじっと凪を見ているのに、何も気づいていない。
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