昼間の話

2/3
前へ
/11ページ
次へ
――2人共、いや、3人共詩織のことが好きなんだよ。気付けよ、いい加減に。 他にも、詩織のことが好きなやつはいる。1人や2人ではなく、もっと。 同じクラスの、大竹、祐悟、吉澤、菅原、一廣とか。他クラスの、千賀、涼生、長尾、萩野、小出、旺右、橋本とか。私立に行った奴らだって、好きな人がいた。ざっと数えただけで20人近くいる。俺が知らないやつだっているだろうから、実際はもっと多い。 もちろん俺だって好きだ。あの時からずっと。 でも、 「あーあ、天使にあと2日も会えない。さみしーよぉー・・・」 詩織は今、夢中な男子がいる。可愛いと何回も言っているのを聞いてるし。 「きもっ!」 「るっさい。てか見に来んな、そっちのほうがきもい」 岡部はこの前の休み時間に2組に来てそいつを見たそうだ。俺は気づかなかったけど。 「どんなやつか見に行っただけですー。藤さんも見る?」 「じゃあ見に行こうかなーw」 「私が許可を出していません」 「でもまぁ可愛かったよね」 「でしょ!?がち天使。尊い」 「きもい」 「黙れ、ぶっ殺すぞ」 ぽんぽんと言葉のやり取りがされる。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加