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――2人共、いや、3人共詩織のことが好きなんだよ。気付けよ、いい加減に。
他にも、詩織のことが好きなやつはいる。1人や2人ではなく、もっと。
同じクラスの、大竹、祐悟、吉澤、菅原、一廣とか。他クラスの、千賀、涼生、長尾、萩野、小出、旺右、橋本とか。私立に行った奴らだって、好きな人がいた。ざっと数えただけで20人近くいる。俺が知らないやつだっているだろうから、実際はもっと多い。
もちろん俺だって好きだ。あの時からずっと。
でも、
「あーあ、天使にあと2日も会えない。さみしーよぉー・・・」
詩織は今、夢中な男子がいる。可愛いと何回も言っているのを聞いてるし。
「きもっ!」
「るっさい。てか見に来んな、そっちのほうがきもい」
岡部はこの前の休み時間に2組に来てそいつを見たそうだ。俺は気づかなかったけど。
「どんなやつか見に行っただけですー。藤さんも見る?」
「じゃあ見に行こうかなーw」
「私が許可を出していません」
「でもまぁ可愛かったよね」
「でしょ!?がち天使。尊い」
「きもい」
「黙れ、ぶっ殺すぞ」
ぽんぽんと言葉のやり取りがされる。
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