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「先に言っとくけど、俺は諦めるつもりも渡すつもりもない。俺のものにしたい」
「言いたかったこと言ってくれてありがと。全く同じこと返すよ」
「でもできない。言ったって恥かくだけだぞ?」
完全に喧嘩腰。周りがざわざわし始める。
「ちょっと向こう行こ」
階段の前で立ち止まる。
「さっき藤さんが言ったとおり、俺だって諦めるつもりない。全力で勝ちに行くし、誰にも渡さない。会ってる時間だって俺のほうが長い」
「だから?」
「川崎は、俺がもらうから」
藤さんの目をしっかり見つめて言う。
「・・・ふぅー。岡部があいつのことがすごい好きなのは分かった。分かったけど、俺だって譲れない。――川崎は、俺のものにする」
「できるのなら、やってみろよ」
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