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だが、もしドライバー元警部補の失踪に内通者が絡んでいるのだとしたら、最も怪しいのは当時の上司だった捜査二課一係の元係長で彼の義父でもある、スティーブ・オルブライト元警部ということになる。
「その推理通りなら、ジェシカの父でドライバー元警部補の上司、オルブライト元警部が怪しいですよね?」
ロイがゆっくりと首を縦に振った。
「事情を聴きに行きますか?」
「いや、現段階で推理をぶつけたところで意味はないだろう。もしオルブライト元警部が本当に絡んでいたとしたら、彼は退官まで秘密を守り抜いたことになる。そんな人は俺に推理をぶつけられたくらいじゃ揺らがないさ」
達観したような言い方だった。
「広域窃盗団が贓品加工を発注させた会社が分かればな、そこにヒントがあると思うんだけどな」
言いながらロイは組んだ腕の片方を頬に当てた。
一件ずつあたる、というのは現実的ではなかった。フリーランス向けのマッチングサイトは検索しただけでもざっと二十件以上は出てくる。
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