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運転席から身体を乗り出して、ロイのデスクトップの画面をのぞき込んだ。そこにはアルファベットで書かれたクラフトマンズ・グループという企業ロゴの下に、過去に登録されていた弊社のフリーランススタッフという文字があった。その下はリスト状になっており、顔写真を載せる欄の横に、取得技能・職能範囲と表示されている。
そこにジェシカ・ローバーの名前があった。
「あっ」
それを見つけた瞬間、思わず叫んでいた。
「この会社だな」
ロイがデスクトップの液晶を睨みつけながらそう言った。驚きを抱えたまま彼の横顔を見続けた。
「でも、ロイさん、どういうことなんですか?」
ロイが含みのある笑顔をこちらに向けてきた。
「以前の会議でムーアさんがジェシカの経歴を話してただろ? 彼女は高等学校を卒業した後、宝飾加工の専門学校に行ったって。でも上手くいかずに一般企業に入社した後、ドライバー元警部補と結婚した」
首を縦に二回振った。
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