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「――……っ」
なんて、おかしなことを言ったせいか。
怖くないように、と花風くんが後ろから抱きしめるように座ってくれている。
そんなに広くないコンテナ内。
継ぎ目から漏れる月明かりだけが、唯一の明かり。
(こ、今度は違った意味で落ち着かない……っっっ)
もはやすっかり、お化けなんてどうでもよくなった。
このまま、万が一このまま。
明日まで誰にも気づかれず、助けもこず――来ない可能性の方が大――、ここで一夜を過ごす……ことになったら、私の心臓は耐えられるの?
既にどっくん、ばっくん。
めちゃくちゃ唸りを上げてるけど、このまま過ごして大丈夫?
「――なんか、ゲームでもする?」
「ッ!」
そんな私に、花風くんはずいぶんな温度差で、そう言った。
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