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切り替えが早い俺は、ボックスティッシュからティッシュを何枚か引き出して、師匠に渡した。自分も身体を拭いて、トランクスだけ履いてベッドに転がる。隣に横になった師匠に腕枕をする。
「俺、こうやって誰かと一緒に暮らすの、夢だったんスよ。だからよけいに、あの街での暮らしが楽しくて、師匠にコロッと行っちゃったのかも」
「コロッと、か」
師匠は小さく笑った。
「いいもんな、誰かと暮らすのは」
ああ、また家族のこと思い出してる。当たり前だよな、俺なんかと違って、たぶんめちゃめちゃ家族を大事にしてたんだろうから。
せつなげな顔になる師匠を、ぎゅっと抱きしめる。
俺達もいつか、家族になれたらいい。自分達でまともに店を持って、二人で働いて、ずっと一緒にいれたらいい。
師匠が寝た後も、俺はしばらく師匠の寝息を聞きながら、師匠との未来をあれこれ想像していた。
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