おとどけもの

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 ひたひたひた。  背後で奇妙な音がした。  僕は振り返って見る。  ポツン、ポツンと間隔を置いて灯る街灯の下に動く物の気配はない。  僕はまた、前を向いて歩き出した。  そこは大通りから入った寂しい通りの、さらに奥に入った細い路地だった。  ひたひたひた。  すぐに同じ音が聞こえた。  僕はもう一度振り返る。  今度は街灯の光の届かない暗がりに目を凝らす。  しかし何も見つけることはできなかった。  僕は走り出した。  僕の部屋のあるアパートはすぐ目の前だった。  そこで目が覚めた。  今まで見たことのない奇妙な夢だった。  まさかそれが正夢になるとは、その時は思いもよらなかった。
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