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経験
外回りが終わり、助手席から運転中の名波を見つめる時雨
『何だよ…』
「いえ、何でもありません」
『……』
「名波さん、今夜空いてますか?」
『…予定はない、飲みに行こうとは思ってる』
お互いに真っ直ぐに前を見たまま
「あの店、ですか?」
『どこだっていいだろ』
「また…(男漁りに?)」
時雨はそう言いかけて、やめた
『また?何?男漁りに行くのかって?』
「……」
『そうだって言ったら?』
「いえ…俺じゃダメかなって…」
『お前はわかってない。男と付き合うのがどうゆう事なのか』
「そうですね、名波さんが初めてなので」
『男を抱くんだぞ、セックスな、セックス』
「……」
『自分以外の…触った事ないだろう?』
「ないです…じゃぁ、俺が誰かと経験してきたらいいんですか?そこら辺の綺麗な男捕まえて…」
『できるならやってみろよ』
「わかりました…今夜一緒にあのバーへ行きましょう?名波さんが見繕って下さい」
『何で俺がお前の相手を見つけなきゃいけないんだ?』
「貴方が俺に抱かせてもいいって思える相手がいいんです」
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