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小学校からずっと同じ相手が好きだという男は、キモいだろうか。
そんな事はない?誠実でいい?
俺はキモいと思う。
はっきり好きだと自覚した小3の頃から数えても7年間。毎日毎日、可愛いなぁ好きだなぁなんて思いながらの幼なじみのエマの顔をチラチラと眺め続けてきた自分の事を、すげぇキモい奴だと思う。
だから俺は高校入学を期に、篠崎依茉に告白する事を決意した。
想いを伝えられればそれでいい。とにかくここいらで区切りをつけて、エマのストーカーから卒業しようと考えていたのだ。
それなのに……。
「おはー」
一限目の授業開始ギリギリのいつもの時間、教室の扉が開き、エマが現れる。
二番目のボタンまで外してあるブラウス。前を開けたままのブレザー。スカートは、太ももが見えるくらいに短い。
そんな彼女を見るたび、俺は「けしからんっ!」と声を上げたくなる。
小2の頃からかけていたメガネがなくなったまぶたにはバッチリとメイクが施され、瞳の色まで変わっている。
後ろで2つに結ばれていた真っ黒な髪も、作り物みたいなアッシュグレーに。肩の前に下ろされていて、毛先があちこちにカールしている。
俺が告白を決意したのと同時に、長年片想いし続けている相手篠崎依茉は、ギャルとして高校デビューを果たした。
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