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第5話
(ミーンミンミンミンミーン…ミーンミンミンミンミーン…ジーッ…)
時は、7月23日のことであった。
またところ変わって、直人が通っている高校の教室にて…
直人たちがいるクラスは、夏休みはなしで補習をしていた。
時は朝10時過ぎであった。
数学の先生が黒板に計算式を書いていた。
クラスの子たちは、ノートに計算式を書いて問題を解いた。
しかし、直人は教科書をついたてにしてハヤベンをしていた。
先生は、ハヤベンをしている直人に対してよりするどい目つきでイカクしたあと、怒鳴り声をあげた。
「コラ!!松ヶ花!!」
「えっ?」
「黒板に書かれている計算式を解け!?」
「えっ?」
「解けと言うたら解け!!」
その後、直人は黒板に書かれている計算式の答えをいいかげんに書いた。
数学の先生は、いいかげんな答えを書いた直人の頭を出席簿で激しく殴った。
(ガーン!!)
「コラ!!オドレはふざけとんか!!席へ戻れハヤベン!!」
数学の先生から強烈な声で怒鳴られた直人は、ひねくれた表情で席へ戻った。
ぼくはハヤベン魔だから…
簡単な計算式なんかできん…
ふざけるなよ…
バカセンコウ…
昼ごはん時であった。
教室では、生徒たちがお弁当を食べていた。
しかし、直人はハヤベンをしたので食べる分がなかった。
直人は、お弁当を食べさせてもらえる男子生徒のもとへ行ってお弁当を食べさせてくれとコンガンした。
「笠島。」
「なんや!!」
「ベントー…食べさせてくれよぉ…」
「なんやオドレ!!」
「朝ごはんを食べることができんかった…」
「それは朝ごはん食べんオドレが悪いのだ!!」
「どうしてそんなひどいことを言うのだよぅ…お弁当が食べたいよ…」
友人は、チッと舌打ちしてから『半分だけにしろ…』と直人に言うた。
直人は、友人のお弁当をパクパクパクパク食べてしまった。
このあと、直人は強烈な暴力の被害を受けた。
事件は、5時間目の国語の授業の時に発生した。
(ガーン!!)
直人は、後ろから突然硬い(かたい)もので頭を思い切り殴られた。
「痛い!!」
「オドレハヤベン魔!!やっつけてやる!!」
「いたいいたいいたいいたいいたいいたい!!」
直人は、このあと左の小指を歯で思い切りかみつかれて大ケガを負った。
その上に、殴るけるの暴行を受けてボロボロに傷ついた。
直人は、このあと医務室でケガの手当を受けて安静にしていた。
夕方5時頃であった。
直人は、担任の先生と一緒にピロティの広場にいた。
担任は、ボロボロに傷ついている直人に対して腕組みをしながらあつかましい声で言うた。
「松ヶ花…オドレはなんで笠島からきつい暴力を受けたのか…と言うことがまだわからんのか!!」
担任の先生の言葉に対して、直人はものすごくひねた表情で担任に言うた。
「分からない…」
直人がひねた表情で言うたので、担任はますますあつかましい声で直人に言うた。
「ほんなら退学届出して出て行けばええ…オドレのようなヤル気のない生徒はいらん!!」
「ぼくはいらない生徒ですよ…」
担任は、ますます居直った声で言うた直人に対して『ああなさけない…』と言う表情で言うた。
「松ヶ花…オドレと同い年の子たちは今ごろ卒業後の進路を決める時期なんだぞ…来年の春に卒業式を迎えるのにオドレは高校1年生のまま…くやしいとはおもわんのか!?」
直人は『どちからと言えばくやしい…』と答えたあともう一度やり直したいと担任に言うた。
しかし、担任はものすごく冷めた目つきで直人の肩をポンと叩きながら言うた。
「あかんな…オドレはハヤベン魔だからなにをやってもあかんな…オドレのようなハヤベン魔でどうやって同い年の子たちと渡り合って行くのだ…あきらめて退学届出して出て行けや…オレはハヤベン魔のオドレはいらん…気を落とすなよ…」
直人に気安い声で言うた担任は、口笛をふきながらピロティの広場から出て行った。
直人は、口笛をふきながらピロティの広場から出ていった担任の背中を眺めながら全身をブルブルと震わせて怒り狂った。
ふざけるなよ…
ふざけるなよバカセンコウ…
オレをグロウするだけグロウしやがって…
なにが気を落とすなだ…
もう怒ったぞ…
許さない…
その日の夜9時過ぎのことであった。
鹿之助は、観音寺市高屋町に住んでいる知人の家にいた。
鹿之助は、知人の奥さまの手作りのキムチ鍋を食べながら金陵(日本酒)の熱かんをのんで過ごしていた。
鹿之助は、夕方6時過ぎから延々8時間くらいの間知人の家に滞在していた。
知人の奥さまは、鹿之助に対して『ご家族の方が心配しているからお帰りになられたら?』とさとした。
しかし、鹿之助は『嫁がきついからイヤや…』と言うて動がなかった。
鹿之助は、明け方頃に巡回中のおまわりさんと一緒に帰宅した。
しかし、奈美たち家族は鹿之助に対して激しい怒りをつのらせた。
時は、7月24日の朝7時20分頃のことであった。
家の居間の食卓には、奈美と多香子となえちゃんとひさとと直人と鹿之助がいた。
思い切りブチ切れた奈美は、鹿之助に対して小鉢を投げつけた。
小鉢は、鹿之助の頭にあたった。
奈美は、よりし烈な声で鹿之助を怒鳴りつけた。
「義父さま!!」
「なんだよぉ…」
「ゆうべ何時頃まで知人の家にいたのかしら!!」
「何時頃て…」
「義父さまは、ひとさまの家に多大なごめいわくをかけておいて全く反省していないわね!!」
「悪かったよぅ…」
「そのように想うのであればうちにいてください!!うちは多香子となえちゃんがオジュケンを控えているのよ!!」
端で聞いていたひさとは、奈美に対して『朝からひどいことを言うなよ〜』と言うた。
奈美は『あなたは口を出さないで!!』と言うたあと、ひさとに対してよりし烈な不満をぶつけた。
「あんた!!そのように言うのであれば正社員になってから言うてよ!!契約社員のくせにえらそうにしないでよ!!…うちは今、なえちゃんが土佐泊女学院の幼稚園部に合格するために必死になっているのよ!!土佐泊女学院に合格できたら幼稚園から大学院まで25年間毎日毎日毎日毎日…毎日が天国なのよ!!」
奈美から強烈な声でグチグチ文句を言われたひさとは『やかましい!!契約社員で悪かったな!!』と逆ギレを起こしたあと家から出て行った。
端で聞いていた直人も、思い切りブチ切れた。
直人は、食卓をけとばして立ち上がったあと家から出て行った。
家から出た直人は、財田川の河川敷に行った。
直人は、砂の上に寝ころんで考え事をしていた。
オレ…
この先…
どうすればいいのか…
分からない…
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