神様のいじわる

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 スマホを見るとLINEがいくつか届いていた。  心桜(こころ)由衣(ゆい)美優(みゆ)とのグループに写真が届いていた。  四年からずっと一緒のミニバスで頑張ってきた友達だ。一緒の班で行くはずだったのにな。 「水族館・到着!」 「みんなで来たよ」 「これから回ってくるよー」  メッセージとともに三人で映った写真がアップロードされている。  どうやら心桜はこっそりスマホを持っていっているらしい。  見つかっちゃったら、先生に怒られちゃうんじゃないかと思いつつ、そんなことは三人ともきっとわかっているんだろうなと思う。  それでもこっそり写真を撮って送ってくれるのは、今日行くことができなかった私のためなんだろう。  そう思うと、みんながしてくれることは本当に嬉しいし、思わず笑みだってこぼれてしまう。  でも、本当に本当に申し訳ないけれど、見れば見るほど、悲しい気持ちも沸いてくる。  だってこの写真に私は映っていないから。  写真を見るのがつらい。ただ三人が楽しそうにしている写真がアップされていくだけにしか見えない。  ダメだ。どうしてこんな風に考えちゃうんだろう。性格悪いな、私。みんなの優しさを妬むなんて、私、最低だ。  どうして熱なんて出しちゃったんだろう。  どうして遠足に行けなかったんだろう。  神様はいじわるだ。    誰もいない薄暗いリビングで、私は自分が泣きそうになっていることに気づき、スマホをソファーに放り出して、仰向けに寝転んだ。  その後も写真が何枚もLINEに届いた。  見慣れた天井がとてもつまらないものに見えた。
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