きみが紡ぐ物語

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 おなかがすいたらどうしているのでしょうか?  この星には飲み水はおろか、食べられる植物も生き物もありません。  けれど、男の子もラクダもおなかがすくことがありませんでした。  その星は優しいミルクのような、甘酸っぱいフルーツのような、焼きたてのパンのような、不思議なおいしい匂いであふれていて、二人のお腹はいつも満たされているのです。  だから、男の子のほっぺはつやつやふっくらしています。  ラクダはそれを幸せの証だと言って、優しくペロリと舌でなめるので、男の子はくすぐったくて笑うのでした。
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