1人が本棚に入れています
本棚に追加
紙飛行機
昨日は母に邪魔をされたけど、今日こそは。
そう意気込んで、勝負の内容を考える。
静かにできるのは…そうだ!紙飛行機を飛ばした距離で競おう。
「シャドウ、今日は紙飛行機の飛ばした距離で勝負だ!」
ビシッと人差し指を《シャドウ》に向ける。
《シャドウ》はコクリと頷いて、折り紙を折りだした。
此れは!
《シャドウ》の飛行機はイカ飛行機と呼ばれるものだった。
形からあまり飛ばないように見えるが、意外とスピードがあり、安定性も期待できる理想の紙飛行機。
だが!!!!僕の敵ではない!何故なら
僕はGoogleで調べたギネス世界記録の紙飛行機を作った。64mも飛ぶらしい。
此れは僕の勝ちだ、悪いな《シャドウ》。
部屋を出て、長い廊下から、飛行機を投げた。
二つの飛行機は中々に順調に進んだ。
だが、不意に僕の飛行機が不自然に落ちた。
まるで、誰かに叩かれたような。
まさか!
「《シャドウ》!汚いぞ!!真っ暗なのを利用して僕のを落とすなんて!反則だ!」
僕が不平を訴えると、何処からか出したか分からないスケッチブックに〔ルールで言われなかったからいいのかと思って…〕と飄々と書いた《シャドウ》。
確かに、僕も説明しなかったし…。
「…今回は引き分けにしてやる」
ぶっきらぼうにいうと、《シャドウ》は、
〔普通に僕の勝ちでしょ!ルール説明を怠った君の負け!〕
と、デカデカと文字を書いて見せる《シャドウ》。
言ってることは正しいけど、ムカムカする!
「引き分けだ!」
〔僕の勝ち!〕
時間も時間だから、いつか決着を着けることを約束し、今日は就寝することにした。
最初のコメントを投稿しよう!