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次の朝、目覚めるや否や、昨日のことを思い出して憂鬱になる。
キッチンへ行くと、母が朝食を作っている。父はすでに仕事へ出ていた。
フライパンがベーコンを焼く音に耳を澄ませる。油の弾ける音に集中すると、少しだけ心が安らいだ。
「お父さん、落ち込んでたわよ」
母が言う。私は黙っている。少しくらい、落ち込んだ方がいいんだ。
「お父さんね、鶏の育て方、インターネットでずっと調べてたのよ」
それが何だ。私には関係ない。
黙々と朝食を食べ、私は学校へ向かった。父のせいで通うことになった、田舎の学校へ。
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