友人Fの本懐9 - 死者の住む家 -

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今まで友人Fの事をずっと語って来た。 Fにどれだけの霊能力があり、色々な怪異を紐解いて来たかは少しわかって戴いたと思う。 Fに比べると私の持つ能力など塵芥の様なモノで、彼の腰巾着と言われても仕方の無い事なのだが…。 そんな私でも一つだけFよりの長けている力があった。 まあ、Fにしてみるとそんな力は何の意味も無いのかもしれないが…。 それは、その場所で亡くなった人が居る事がわかる能力。 この能力だけは私の能力が衰えても変わらず私にはある気がする。 例えば、このビルから飛び降りた人が居る。 この場所で事故で亡くなった人が居る。 溺死して、此処に流れ着いた人が居る。 この車で事故に遭い人が亡くなっている。 この家は人が亡くなり、成仏出来ていない人が居る。等々。 賃貸物件を借りようとしている友人が私を連れ出すのは昔は当たり前の様にあった。 F自身も、賃貸を借りる友人に相談を受けると、「私に任せた方が良い」と言う程だったらしい。 今回はそんなお話を少ししてみたいと思う。
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