友人Fの本懐9 - 死者の住む家 -

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ある日、駅前の公園で、私と関口がいつもの様に話をしていると、少し離れた場所から大声で私を呼びながらFがやって来た。 いつもと違うのは、Fが横に、制服姿の女を連れている事だった。 「アイツ…。女、連れてないか…」 関口が驚いた様に言う。 関口にも見える女であれば、生きた人間である事は間違いないだろう。 「おう、遅くなったわ…」 とFは言うといつもの様に関口のポケットからタバコを取り、火を点けた。 「お前、自分でタバコくらい買えよ」 と関口はFからタバコの箱を取り返す。 「いやいや、ちょっと相談載っててよ」 とその女を呼んだ。 その女は申し訳なさそうに私たちの傍にやって来る。
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