友人Fの本懐9 - 死者の住む家 -

28/29
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
突然、ファミコンをしていた彼女の弟が声を発した。 「この家のお爺さんとお婆さんは殺されたんだと思うよ…」 そんな事を言い始めた。 隣の老人が、彼女の弟の方に手を載せた。 「何度も夢で見た…。お爺さんが木に吊るされるところ。お婆さんがお風呂に沈められるところ…」 それは衝撃の告白だった。 それを知っていたかの様に彼女も彼女の母親も顔を伏せていた。 なんとなく私もそれは感じていた。 しかし、自殺としてそれは何年も前に片付いた話だった。 真実はもうわからなかった。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!