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人型
カリアさんと俺が声を上げた。
「ん? どうした?」
「いえ、ちょっと気になったことがありまして」
俺はそう言うと、今までの情報を頭の中で整理する。
まず、俺たちが探している情報は『人型魔物』の情報だ。
そして、その情報を持っている人物……つまり、『人型魔物』を知っていると思われる人物がこの近くにいるということだろう。
だが、ここで重要なのは『人型魔物』について知っている人がいたということではなく、『人型魔物』という存在を知っていたことだ。
それはつまり――
「なぁ、ケイマさん」
「なんだい?」
「もしかしてだけどさ……あんたたちが探してるっていう『人型魔物』って、この世界にいるのか?」
「ああ、そうだよ」
あっさりと肯定されてしまった。
「えっ!?」
「マジか!」
「おいおい、本当にいたのかよ……」
他の三人からも驚きの声が上がる。
「ああ、本当だとも。そもそも私たちはその『人型魔物』を探しているんだからね」
「……なるほど」
「まあ、もっとも……私たちの目的は少し違うんだけどねぇ」
「違う目的?」
「ああ、実は私たちは『人型魔物』を探すために旅をしているわけじゃないんだよ」
「へぇー、そうなんですか。じゃあ、何のために?」
「ふむ、まあ簡単に言えば、宝のためだ。」
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