静謐な彼女の頭の中の金の針

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「どんな(ひと)?」 「性格の良い人ですよ」  ピシリ、ピシリ 「美人系? 可愛い系?」 「美人というのは客観的事実、可愛いは主観的事実ですので、客観的事実についての問いならば、美人か不美人かと尋ねるべきであり、主観的事実についての問……」 「せんせー、照れ方がウザいでーす!」  キシ…… キシ……  幸福に濁った空気の中、それは、雑音と言うにはあまりにも純粋な破壊で。僕はまた、彼女の声の中に沈み入る。
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