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序章
『ガチャッ、バルルルル……』
突然繋がった無線から、大型飛行船の飛行音が聞こえる。
『……ザ……ザザッ…………め…、だ……』
「かなり不安定だな、何を言ってるか全くわからん」
「本当につながるとは思ってもなかったんだけど……」
「ま、使ってみる価値はありそうだ」
一人が 黄緑色の灯りを点滅させる無線に手を伸ばしたその瞬間。
『ガガッ!ガガガッ!!』
「ひょえっ!」
「わーお コイツぁ……」
『キィィィィン…………ガ、ガッ……ガツッ』
不安定ながらも確実に何かを発していた無線機は、今は何も言わなくなった。
あたりに静けさが戻り、暗闇がのしかかってくる。
「うーん、まぁダメか」
「やっぱりこんな事するもんじゃないよ……」
「だからって他にすることもないだろ?」
「そりゃそうだけどさぁ……」
他愛のない会話をしながら 立ち上がる二人。
「さ、次はどれにトライする?」
「うえー、もうやりたくないんだけど」
その二人の前には、鉄クズとなった電子機器が 山のように積み重なっていた。
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