粛々と

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さて  俺は フクロウの指示に従い 静かに 様子を伺っていると 赤い光の漏れる テントから 再び 賑やかな音楽が流れ 人々は ニコニコしながら  一列に並んで 元気に 外へ出て来たではないか! あんなに 絶叫していたのに みんな 微笑んで ゾロゾロと 出て来たのだ コレは どういうことだろう 俺は 理解に苦しみ 後ろを振り返り フクロウを見た フクロウは 目をぱちくりして こう言った 「あの人間たちが 一人残らず  テントの中から 出てしまった時が  チャンスだ  どうかな?   もう 誰も 出て来ないな?  よし 今だ!  そっと近づいて 中の様子を  探って来るがいい  ただし 少しでも危険を感じたら  すぐに 引き返すのだ  決して 無理をするな  おまえは 間もなく 森の王になる  大切な役目を背負っているのだ  わかっておるな  さあ 静かに音を立てず 忍び込め!」
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