粛々と

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石のように固まった体と 石のように動かない状況は 延々と続いていた 俺も 人間も ピクリともせず 静けさの中で 夜は更けていく 冷気は テントの中まで ヒタヒタと 忍び込み 寒さ と 恐怖に 包まれた俺は  いつの間にか プルプル  小刻みに 震えていた 見ると 目の前にいる 血塗られた頭巾を被った人間は ガクガク 震えている 寒いのか? 怖いのか? どうやら人間も この状況に 怯えているらしい しかし  奥にいる  ふざけた顔の オオカミはどうだ! まったく 震えることもなく 堂々と 微笑みさえたたえて 俺を 見下ろしているではないか! なかなかのツワモノだ 手強い・・・ 油断はできぬ b0664989-81ea-4a8f-865d-ecc379101eb0 いつ相手が 飛びかかって来ても 即座に応戦できるよう 静けさの中で 冷静沈着に 俺は 密かに作戦を練った あの落ち着きから想像すると 相手は かなりのやり手だ 目の前に 居ながらにして まるで気配を感じさせない 気を抜くと そこに居ることすら 忘れてしまうほどに 完璧に己の気配を消している 微動だにしない 奴の 完璧な集中力は 敵ながら あっぱれ!! と 心の底で 感心する
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