0人が本棚に入れています
本棚に追加
目
ドアを押して開いてみると
とても殺風景で、でも、なぜか落ち着く空間が
広がっていた。
ドアは閉まってしまった。
人はこうやって無意識に知らない場所へ
足を踏み入れるのだろうか。
自分の警戒心が無いせいだろうか。
ドアくらい開けた状態にしておけばよかった。
いや、
ドアの向こう側だって、何も無かったじゃないか。ここに入るしか無かったのだ。
.....無数のカメラがこちらを射ている。
一方的な視点に痛みさえ感じる。
自分の知らない誰かに
見られているのか。
空気が冷たい。
けれど暖房やベッド、ラジカセなど
最低限、いや快適に過ごせるだけの設備が
整えられている。
壁の三辺は剥き出しのコンクリート
一辺はガラス張りであり
自分の姿が薄ら見える。
外側が自然豊かな空間なら幸せだろうに
と思う。
最初のコメントを投稿しよう!