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ドアを押して開いてみると とても殺風景で、でも、なぜか落ち着く空間が 広がっていた。 ドアは閉まってしまった。 人はこうやって無意識に知らない場所へ 足を踏み入れるのだろうか。 自分の警戒心が無いせいだろうか。 ドアくらい開けた状態にしておけばよかった。 いや、 ドアの向こう側だって、何も無かったじゃないか。ここに入るしか無かったのだ。 .....無数のカメラがこちらを射ている。 一方的な視点に痛みさえ感じる。 自分の知らない誰かに 見られているのか。 空気が冷たい。 けれど暖房やベッド、ラジカセなど 最低限、いや快適に過ごせるだけの設備が 整えられている。 壁の三辺は剥き出しのコンクリート 一辺はガラス張りであり 自分の姿が薄ら見える。 外側が自然豊かな空間なら幸せだろうに と思う。
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