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って言っておけばいいんだろう。
確かに場所も関係しているだろうが、車を走らせれば遠距離だとしてもコンタクトは取れる。
つまり、実際は物理的な距離感の問題なんかじゃないのだ。
自分が誘っておいて平気で遅刻してくるし、相手が合わせてくれることが当たり前だと思っている。
雑なんだ、すべてが。
だから俺は由香は……無理だ。
「…おい、歩けねえとかはやめろよ」
隣を歩いていた動きがピタリと止まって、少し先を進んでいたと気づいた俺は振り返る。
すると彼女は何をするのかと思いきや、空へ向かって大声で叫んだ。
「あーーーっ!!都会に行きたーーい!!」
「ちょっ、恥ずかしいからやめろって…!!」
「いいじゃないこんな田舎なんだからっ!!人なんか通らないわよっ」
「いい加減にしろ酔っ払い!!置いてくぞ!!」
叫んだことで逆に頭が冷えたのか、それからは大人しくなった。
こいつと結婚だけは無い。たとえ親にせがまれたとしても、それだったら一生独身のほうがマシだ。
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