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少女は日が高くなるまで、窓辺に腰掛け詩を読んだ。
ジリジリ、ジリジリ、虫が鳴く。洗い立ての入道雲がもくもくと空をのぼる。
本をめくる右手の影は切り絵のように濃くなった。
遠くの景色が揺らいでいる。少女は額に張り付いた前髪をこすり、キャミソールの胸をパタパタあおぐ。
軽い足取りで窓を降りれば、石の床がここちよい。
桶に浮かべていたまあるいスイカをザクザク、ザクザク小さく切った。
足元には蟻が列をなしている。少女はひとかけしゃくりと取って、彼らの傍に転がした。
昼、夏は色濃く落ちた。
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