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チャーコは急いでそのメッセージにレスを返した。
【チャ🐷:あたちも急にちんぱいになったプギ。すまほがちんでもお家の電話とか他の手があるぉね!】
【ケイ🐺:電話はした。でも出ない】
(えっ!?)
【ホマレ:ワシも心配しとった。なんじゃチャーコ、ヌコリンは家にいないのか?】
ホマレーヌ清水画伯もラインの会話に加わってきた。やっぱり気になっていたらしい。
【チャ:いないプギ。だから本家にいるとばかり……】
【ホマレ:ケイが電話してもでないとは。だが弟がいたのではないか?】
【ケイ:弟くんは……おそらく電話には出るなとヌコリンに言われているはずだ】
だとしたら、弟クンにヌコリンの行方を聞くのも難しい。
【チャ:弟クンに何かあったのかも……】
【ケイ:もしくは本猫か】
(なっ……!?)
一瞬にしてチャーコの脳裏に恐ろしい光景が浮かび上がる。
車に撥ねられたヌコリン。
道端のキノコを食べて苦しんでいるヌコリン。
ぽっちゃんトイレに落ちてコポコポ沈んでいくヌコリン。
「ヌ……ヌコ、リン……」
震えるチャーコのひづめが、スマホのガラス面に小刻みにカチカチ当たる。ラインの返信が打てない。
【ホマレ:あやつの本家に行ってみれば話は早いんだろうが。ワシは今日個展で、席を外せないんだ】
【ケイ:俺ももう新幹線に乗っちまったし。参ったな】
チャーコは冷たくなったひづめをギュッと握り、改めてタッチペンでメッセージを入れた。
【チャ:あたちがいてくゆ】
いつも冷静なケイが嫌な予感がするなんて、やっぱりおかしい。
いつもとは違う何かが起きてる。
【ケイ:何言ってんだチャーコ!】
【チャ:住所なら前に聞いたプギ】
【ケイ:そういう事じゃない。気持ちはわかるがかなり遠いし】
【チャ:だいじょぶ。キコキコブーブでイク】
ヌコリンは弟クンと二猫っきりで、親類縁者ともとうに縁が切れてると言っていた。
何かあったとしても、近くに助けてくれる者はいない。
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