これはきっと夢だから

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僕は、人を殺し続ける。 家族さえも殺してしまった。 もちろん夢の中でだ。  本当には殺していないはすだ。 いつも気づいたときには自分の部屋の見慣れた景色に戻っている。 今日は自分の目の前に、見知らぬ小さな男の子が怯えていた。 僕は迷わず、刃をさした。 現実世界では、僕は自分を犠牲にし続けている。 だから、夢の中で人を殺す。 もちろん、本当に人を殺す勇気は兼ね揃えてない。 夢の中でしか、僕は僕になれない。 ある日も、またいつもと同じような夢を見た。 今日もまた、気づいたときにはいつもの景色…ではなかった。 手には、赤く染まったナイフがあった。
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