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恩師の故郷の鳩よろしく餌やりが禁じ手だったり何だりしないかという問題は失念していたが、結果的に【カミサマ】はお子様定食に好感を示していたし、後々まで何の問題も生じなかった。
ただしあくまで物理干渉は不可能らしく、最終的には自分のカルビ丼と共に美味しく平らげた。
一切の素性を知る由の無い周囲の連中には大いに珍妙に映るだろうが、当然毎度の事なので気にはしない。
因みにかのサー・黒光りは【カミサマ】が触れたそばからどうやら絶命を遂げており、そこからまた別種の問題が見て取れた。
詳細はともかく【カミサマ】は物理法則や何やかんやを有無を言わさずすっ飛ばし、触れたものの生死にダイレクトに干渉するらしい。
ここが第一のガチマジ部分である──いやそもそも、【神】なんぞという連中は大体が有無を言わさないガチマジの何らかを秘めているものだった。
こうなりゃ驚いたりビビったりもチビったりは全部後で良し。
何ならそうする前に絶命する可能性だって有り得る。
なんかヤケクソになっていないかと訊かれそうだが、どっこい別にそうでもない。
何と言ってもこう(?)見えて俺も他称【付喪神】。
神たる存在に恭しく敬意を払うのは当然だが、大地にひっくり返って服従のポーズを取る必要もビビる必要も無い。
大概の問題にはゴールがあり、そこに辿り着くに差し当たってのルールは無い。
更にどちらもバカ丁寧に決める必要も守る必要も無い。
どうせ相応の価値は無い……とまあ、どう考えようとそれもまた自由だ。
だからこちら側の自由もまた奪わないでね、というだけの話。
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