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当然彼らがどういう者達なのかなど知る由はなかったが、何にせよ関わる理由も意思もない。
これもまた当然、間違ってはいない。
更に数日すると、街の様子が変わってきた。
度々弾圧が繰り広げられ、それらの喧騒によって荒れた道や崩壊した建物の一部やに四苦八苦する事が多くなった。
いつも通り隅から隅を巡り、いつも通りゴミを拾い、いつも通り出来る限りの修繕を行なう。
いつも通りでない何某かに出くわしても成す術はなく、ただ遠巻きに横目に眺めるだけ。
何が起こっているかは相変わらず分からなかったが、何かが起こっている事だけは理解出来た。
そうと知る由ももちろん無かったが、本能的に。
不意に胸や脳髄やを貫くような明らかな殺意を含んだ視線を感じるようになり、誰に教わらずともさり気なくそこから遠ざかるようになった。
良くも悪くもその殺意がそれ以上歩み寄って来る事はなく、まだ彼の日常は平穏無事な範囲にあった。
無論それはどこまでも仮初、間に合わせの物でしかなく。
やはり知る由はなく、いつの間にか平穏な時間は終わりを迎えた。
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