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かくして眼孔突貫工事(訳分からんレベルのパワーワード)は無事成功した。
前後の記憶は言うまでもなく互いに概ね曖昧で、正しく脳内麻薬で最高最悪にぶっ飛んでいたと思われる。
オッサンの方は流石に気の毒な事この上無く概念的にも物理的にも、俺の方も何せ生きた他人の眼孔を工事するなんざ当然初めてだった訳で。
【概ね】というのは文字通りの意味で、オッサンは今に至るまで当時について語ろうとしない。
記憶の有無は元より、当時の何やかんやに関して肯定も否定もしない。
それならそれで全部こっちで好きに解釈するだけだが、何故だかそうするのも気が引けた。
ネタバレになるがこれより少し後、わりとあっさり再会を果たしちゃったばかりか、結構気軽につるむ仲になっちゃったからだ。
人生がままならないもんだと語るお話はそこいらに転がっているが、腹立つくらいに此度で痛感した。
俺自身がどの程度【概ね】記憶しているかは概ね充分語ったと思うので、これ以上触れずに置く。
わざわざ今触れる必要は無かろうし、今後本人に(どんだけ嫌がられようが)晒して行く手筈なので、それで手を打って貰おう。
──で、オッサンは流石に元気に走り回る事はなかったが、数時間数日と時間経過と共に明快な回復を見せた。
体力的に(オッサン的な意味じゃなく)以前のような爆速再生とは行かないらしいが、それでも【不死】が健在だとすぐさま思い知る運びとなった。
それはオッサンがおもむろに銃を手にするや否や、躊躇いなく手首ごと手錠を撃ち落とそうとした時。
色々思い切りが良過ぎて、思わず病み上がり相手にヘッドバットしてしまった。
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