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ブチ切れて二度と戻らないんじゃねえかとすら思ったテンションが何とか無事に帰って来たと思いきや、光の速さで再び出て行った。
それも更に捻れに捻れて。
唯一の救いはさっきより幾らか平和的な捻れではあるかも知れないという所だが、場合によっちゃ再び血を見るに違いない。
──平和とは。
「……本当に大丈夫か?」
「心配してくれるんならお互い痛くない方法で外そ」
「だから大丈夫か?」
「……だいじょばないです」
いよいよガチトーンで心配され出したが、ウザさと満更無さとが半々。
ここしばらくIQがだだ下がりしている自覚はあるので、自分でも何言ってるのか最早分からん。
出来るだけ秘密裏に平静を取り戻そうとしているのに、オッサンが真人間のように引き続きガチトーンで心配げにこっちを見つめて来るせいでそれも叶わん。
失礼な物言いでどうにかなる域は越えていると分かっているから、わざわざ口に出して場を濁す事も出来ん。
ゲリラミサイルを食らった時より詰んでいる──とは流石に言い過ぎかも知れないが、どっちにしろ致死量の何かを食らってるのは確かだ。
しかもミサイルと違ってゼロ距離で的確に食らわせて来るんだからいやほら、やっぱ言い過ぎでも何でもない。
とりあえず視覚へのダメージを軽減すべく、手で覆って天を仰ぐ。
片手が無事でマジで良かったな。
「……どうかしてるんなら見せろ?」
「いやこっちは大丈夫。いや大丈夫じゃねえからせめて数分待って」
心配を通り越してキョトンとし出すオッサン。
ああ忍びねえ。
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