サイクロプスとロブスター(結)

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因みに言うと世界平和なんざ然して本気にしてないし、してもいけない。 理由はとっくに述べた通りなので、そう簡単に調達出来るものとは思えないし、むしろ出来てたまるか。 ただしあくまでそれはそれ。 そもそも俺は遍く事象において中立を貫く傭兵で、あらゆる善悪なんざ深く考えたくもない。 だからある意味全てに寛容になってやろうという話。 静かな空間だとジャラジャラうるせえ手錠も、いっそ一生このままでも良いんじゃねえかとさえ思う。 散々振り回し引っ張り合いを繰り返したせいでクソ痛えし鬱陶しくはあるが。 「……解ってるが正気か?」 「正気な訳ねえだろ、逆に。解ってんなら聞くなよ。マジでそれ似合ってんねクッソ……」 「一旦外すか」 「いやいや良いのよマジで。何思ってくれても良いから」 こうして呑気に駄弁っている通りとっくに安地入りして久しく、マジでこのままでも大して困りはしない。 手錠を外す手立ても時間もそこらじゅうにあるが、俺の方は上記の理由で本腰入れて外そうとは思っていない。 ──理由が見当たらないと思った奴は多分正気である。 オッサンの方は文句言いつつ今の所、多分俺の心理状態がガチで心配でこっちに合わせてくれている。 じゃあやっぱり良いだろ。 「いつまでグダグダ考え込んでんだ」 「……多分一生だね。なんか予定でもあんの?」 「ある訳無えだろ」 「なら良いじゃん。……その眼鏡どこで買った?」 「……欲しいならやる」 「いやいやいやそうじゃないって。オタクが掛けてる事に意味があんのよ」 考える事自体は確かに一生続ける事になるだろうが、無論時々はちゃんと区切りを付けなくちゃならない。 この後オッサンに否応無く諸々白状する事になったが、それはオッサンだけに向けたものなので黙っておく。 想像にお任せするという奴だ。 .
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