腎臓と星《2》

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「そっちのが会話する気なくね?一旦食うのやめろ」 「ごもっともだけども!俺に言われてもなのよ!分かって!助けて!」  こう言い合ってる間にもエンゾ君はまだモグモグしちゃったりしてるし、何なら新たに一口もう一口と詰め込んじゃったりしている。  ひょっとして齧歯類か、面倒な空気を察してわざとやってたりしちゃってるのか、どっちだ。  問い正す勇気はありません。  「つか、イメチェンどころじゃなくね?」  「まあ別人だからね?」  「……はあ?」  訳が分からないよと言いたげだが、こちとら数時間前から何が何だか訳が分からない出来事に見舞われまくってそろそろガチで泣きそう。  でも小生意気なクソガキとは言え、ちょっとはこの気持ちに同意を得られるかしら状況打破に一役買ってくれるかしらと淡い期待を抱いちゃったりした。  そういうのは大抵あっさりバッサリ裏切られてきた人生だったけどね。  「……なんかやべえのに絡んじまったのは解った」  「うん大体合ってるよ!この際車上荒らしでも何でも良いから助けて!因みに本物だったらもっと高らかにやばいからね!」  あれなんか双方に助けを求めちゃった。  どんどん時間が過ぎちゃってるもんだからいよいよリアルに訳分からなくなっちゃってるね。  でもどっちでも良いから状況打破して欲しいのは確か。  「大体どういう状況なん?本物どこ行った?」  「かくかくしかじか」  「ピザまん奢る状況じゃねえべな」  「だよね!」  .
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