サイクロプスとロブスター(結)

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その通りこの当時は最悪とも言えるが最高潮にテンションがブチ上がりつつ、心置き無くブチ犯すまでには至らなかった。 理由としては普通に英国紳士はそんな事しねえから、と言うのもつまらんだろうが本当にただそれだけ。 他にあるとしてもそれまた俺とオッサンとだけの話なので、ここでは触れない。 なら逆に触れられる所はと言うと、現在パートの一端か。 何度も述べた通りゲーム仲間として大抵オンラインでつるみ、偶にこうして互いの住まいに出向いてソファーに並んでゲームしたり、半ば嫌がらせで珍味を食わせたり食わされたり。 クサい表現だが実は見えない手錠で未だに繋がれてるんじゃねえかとさえ思ったりする。 いやどういう関係だと時折自問自答したりもして、関係値としては謎だろうがこちとら【いつかブチ犯したい相手】。 言わないが言える。 何故言わないかと言うと、他ならぬこのオッサンのせいだ。 「……何がだ」 「オタクさ、俺の名前呼んだ事無いよね」 「……だから何だよ?」 「いやむしろ『何だよ』って何よ。いや別に嫌なら良いけどね、嫌じゃなきゃ呼んでよ」 「お前も『オッサン』呼ばわりするだろうが」 「呼んでくれねえからだわ」 面倒ですとあからさまに書いてある顔が真っ直ぐこっちを向く。 眼鏡を掛けた状態の方が常になって来たのはポイント高いが、別に免罪符にも何にもならない。 「……どうせ偽名だろ」 「いや本名」 「そう易々とバラして良いのか」 「この先オタクが裏社会のドン的な人間になるとかなら不味いけど」 「ならない」 「じゃあ無問題」 その通り、俺としちゃ本当に問題は無い。 こうして見えない鎖に繋がれ、一つしかない目を一心に背けずにいるのも、紛う事無き自分の好きでやっている事。 コーヒーと紅茶、ゲーム機とコントローラー、小動物を模したお菓子だの、ラーメンだの。 ロブスターことオッサンことアロンソアが口を開いた。 .
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