腎臓と星

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そうして何事も無く数時間が過ぎた。 最早ここが何処で何処から走って来て、何処に向かっているのか全く解らない。 行き先も目的も一切が皆無なので当然だが、あまりの何事も無さに多少物足りなさを感じつつあった。 まるでトマトやチーズを抜いたパニーノとでも言うか。 無為な時間を無為に過ごす事には慣れているつもりだが、単なる思い込みかその先の目的(主にターゲットの迎撃など)がある場合に限った事だったか。 こうなると目的が必要だったかと思い始めたが、やはり成り行きに任せる事にした。 何事も起こらずともこれはこれで一興だろうが、やはりいつまでもただただ座って景色を眺めるだけとなると、パニーノからサラミまで抜いたようなものになる。 「しりとりでもする?こういう時の定番だし。俺としても話題が無いと別な意味で死にそう」 「死なれるのは困るな。……どう死ぬか見てみたい気もするが」 「……ガソリンが尽きるまでには帰らせて貰って良い?不可抗力に関わらず普通に殺されるから」 「乱暴な人間に飼われてるものだな。良いと言うつもりは無い」 「いやスゲェね君。いや俺もスゴイよね褒めて?」 「テロリズム」 「あら照れ隠し?俺の飼い主に当たる人もねえ……」 罰ゲームの有無について触れなかったが使える物が実弾しか無い……、と思ったが交通量の多さに気付いたのでひとまず取りやめた。 そういう暇の潰し方をする気は起きない。 ·
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