腎臓と星《2》

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 そうこうしてるうちに駐車場が混んできた。  新たな事故は避けたい……と思ったけど、いやむしろこの際もっと良さげな事故(?)か何か巻き起こってくれた方が、責任の所在を分散出来るじゃない?  危険かしらこの思想、エンゾ君的にはどうかしら?  尚もピザまん食い続けてるけど。  ──何故言葉遣いがキモくなってるのか?  絶賛生命の危機に瀕してんだから知るかそんなの。  「性欲強くなるとオネェ化でもすんの?」  「え?ああ死に際ってそうなるんだっけ。知らんけど。……と言うかどこがどうなってんのか確認したくないけど普通に弁償してね?ちゃんとゴメンナサイすれば大丈夫。多分。多分……」  「ゴメンナサイで済ませる893聞いた事ねえけど」  「分かってるねえ分かってんのにやっちゃうんだねZ世代って皆そうなのかねなんか仕事でヤな事あったらサックリ辞めちゃうとかってホント?ヤな事あった?お兄さん話聞こうか?」  「生まれてこのかたヤな事しかねえよ」  「あ、急にバカ重いのも無理だなゴメンね」  「使えねえオッサンだな」  「お兄さんね?」  「オッサンだろ」  「僕から見ても見苦しいぞ藍沢」  「急に刺して来ないでエンゾ君……!」    何気に味方だと信じていたのに。  多分そんなに歳も違わないじゃない例えそうでなくてもZ世代と比べれば断然諸々理解してくれそうだと思うじゃない。  ──お兄さんは悲しい。  .
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