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自問自答(ブランカ)
「まさか、サビィが私の事を…好き…だなんて…」
私は、思いがけないサビィの告白に混乱していた。
サビィは、私とラフィの事を応援してくれていた。
さっきも、私の話しを聞いてくれたし励ましてもくれた。
一体、いつからサビィは私の事を好きだったのだろう…
でも、思い返せば…サビィはいつも優しかった。
そして、いつも私を見ていてくれていた。
ラフィの事に悩む私を、気にかけてくれてもいた。
「サビィは、自分の気持ちを隠して、私の話しを聞いてくれていたの?」
それは、サビィにとってどれほど苦しかった事だろう…
知らなかったとは言え、私は彼を傷付けてきた事になるはず…
「サビィは、いつも自分の事より私を優先してくれる…」
サビィは、外見も所作も美しい。
天使の国一番だと言っても過言ではない。
そして、努力家でもある。
天使の中の天使…それは、まさにサビィの事だと言っても過言ではない。
以前は、1人で過ごす事を好んでいた為、近寄り難かった。
サビィ自身も、壁を作っていたように思う。
しかし、最近の彼は違う。
私やラフィと過ごす事が多い。
勿論、子供達の学びの事で集まる事もある。
でも…それだけではない。
彼も、私達に心を許してくれていると思う。
サビィと過ごすうちに、彼の優しさや温かさを知った。
「サビィだったら…私を大切にしてくれる…よね…」
(愛する人より、愛されてる人と一緒にいる方が幸せなのかしら?いっその事、サビィの気持ちに応えてしまおうか…でも…ラフィの事を諦められる?ずっと前からラフィを好きだったよね?それに…彼と向き合うって決めたよね?)
自問自答を繰り返す。
その時、頭に浮かんだのはラフィの笑顔だった。
私は、ラフィの笑顔が好きだ。
彼の笑顔を見ると、幸せな気持ちになる。
私は…彼の笑顔を守りたいとすら思う。
「やっぱり…私はラフィが好き…サビィの気持ちには応えられないわ…」
答えが見つかると、私はしっかりと前を見据えた。
「もう迷わない。サビィには、近いうちに断ろう…」
そして、ラフィと向き合う事を決意した。
「どんな結果になったとしても、受け止めよう…」
私は、自分に言い聞かせるように呟いた。
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