そのとき、ギャルは見ていた。

　ーーえみかから送られてきた写メには、
ノイズしか写っていなかった。

　……えみか？

　たった今まで話していたはず友達。
　そのはず。
　なのに。

　まるで思い出せない。
　ぽっかりそこだけ記憶がない。
　まるで、最初からなかったかのように。

　あたしはスマホから顔を上げた。
　学校をサボってぶらついていた
　駅前通りの商店街が、そこにあるはずだった。

　真っ白だった。

　こくり、と喉を鳴らした。
　それきり、なんの音もしなくなった。

　いつまでも続くような静けさの中で、

＞ﾊﾟﾝｯ

　と誰かが、手を鳴らした